デリーに到着して西園寺が、
「インダス文明の遺跡じゃないんだが、カルディアの製鉄カーストになったヒッタイト達の製鉄技術の象徴とも思える『錆びない鉄柱』を見ようよ」
島津が、
「千五百年経っても錆びてないんだってね、行こう」
美佳が、
「ヒッタイト達のインド入りで各地に製鉄所が作られカルディア人にもアーリア人にも鉄製農具が行きわたりガンジス北側の硬い土壌の開墾が進み両者の東進は中流域から下流域に達し、下流側からもフェニキアのタルシシ船に乗って開拓者が入り、カルディア人のシャキー族がコーサラ国を、フェニキア人が中心になりマガタ国を建国したのよ」
香苗が、
「後に、コーサラ国、別名アユダ国はヒッタイト繋がりで宇佐八幡の東表国が半島に建国した金官加羅の初代王金首露の求めに応じ、王女黄玉を嫁がせ、後に許太后と呼ばれたのよ。宇佐八幡の名前はヒッタイト王国の首都ハットウサに因んで名付けられたのよ」
西園寺が、
「許はコーサラのことなんだ。更に後年、グブタ王朝が滅亡した時、クシャトリア達は漂流の旅に出て許太后の縁を頼り金官加羅から独立して強国となった新羅に入り外人部隊の傭兵軍団になり、新羅の軍事力の中枢を担い半島制覇の原動力になるんだ。ニギハヤヒ達はインド製塩カーストのアグリア族を吸収しアグリの姓を加えるんだ」
島津が、
「カルディア人のシャキー族は前門のフェニキア系マガタ国、後門のアーリア人諸国の軍事的圧迫を嫌いロータルで合体したメルッハ族のアマツマラを船長に再び天の鳥船に乗りインドからマレー半島に向かうんだ。後に、シャキー族からシャカ族が興り釈迦の誕生に繋がるんだ。次はマレー半島に行こう」