再び、大和川を遡り、急流の亀の瀬で軍船から小舟に乗り移り、飛鳥に入った小舟は東漢氏の一大軍事基地に辷り込んだ。 「太子様、長がお待ちです」 「ダンの太子を同道したと親父殿に伝えてくれ」 「日下の物見から連絡が入り、ご承知 […]
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「日出処の天子」1
二艘の軍船が茅渟の海から河内湾に入り、大和川を遡上していた。 「礼尾、真っ直ぐ飛鳥に戻るのか」 「日下で傀儡館に寄り道するぞ」 「馴染みの娘でもいるのか」 「弾も聴いておろうが、大王様が臥せっておられる、長くは無いかも […]