ミチタリは再び飛ぶように柳井水道に戻った。母子は飛鳥の官衙の一画に入り祖父や父親不在で慎ましやかな生活を始めて程なく、柳井水道から筑紫侵攻作戦の開始、筑紫奪還の成功の知らせが次々と飛鳥の官衙に届いた。飛鳥だけで無く纏向 […]
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「日出処の天使」完 第二部「上宮聖徳」1
三笠山の頂きに朝暘が昇り、斑鳩の里に点在する溜池の群れを照らし、 アキアカネが乱舞し、柿の木には青い実が育ち始めていた。 産屋から赤子の泣き声が甲高く聞こえ、家人達に歓声が上がった。 「太子がお生まれになったぞ」 「 […]
「日出る処の天使」66
西都原の男狭穂塚古墳を見終えた古代史サークルのOB四人はレンタカーでそのまま福岡県古賀市の船原古墳に向かった。 ハンドルを握った島津が、 「それにしてもグッドタイミングだよな。帰国の日に船原古墳で金の馬具が見付かった […]
「日出る処の天子」65
平成二十五年六月、古代史サークルのOB四人は羽田発のJAL一番便で宮崎へ発ち、空港でレンタカーに乗込み西都原古墳に向かった。 ハンドルを握った島津が、 「卑弥呼はイカッサル族公孫氏大物主王家の宗女で、王家が遼東半島に […]
「日出処の天子」64
坂上が、 「僕はイカッサル族の話をしよう。目は茶色、BC七世紀頃、アンガ系チャム人を従えてタルシシ船でインド洋マレー海峡から北上して華北中原に入っているが、途中、ソロモンとシバの女王ビルギースとの間に生まれたメリケリ王 […]
「日出処の天子」63
麗華が、 「私はレビ族の話をします。レビ族は祭祀部族で目は茶色、杖刀を扱います。西晋末、中原から高句麗を経由して五世紀に列島には遅れて渡来します。東漢氏の頭領として西漢氏の頭領になるダン族と共に瀬戸内を進みレビ族は飛鳥 […]
「日出処の天子」62
坂上が、 「此処からはイスラエル十二部族個別の状況を話していきましょう。まずは秦王国の主人公・大国主命のシメオン族から始めよう」 伊集院が、 「シメオン族から始めます。南朝ユダ王国に属し、碧眼で鷲鼻が特徴です。日本の […]
「日出処の天子」61
坂上は、 「日本書紀と古事記は同じ時期に別々に存在したウガヤ王朝史と東表国史と金官加羅史などを縦に繋いで長く伸ばして構成されているんだ。神武、綏靖、安寧、威徳の四代はウガヤ王統を、孝昭、孝安、孝霊、孝元、開化の五代は東 […]
「日出処の天子」60
麗華が、 「モーゼに率いられたヘブライの民は出エジプトを果たし、約束の地カナンに辿り着き定着しイスラエル人を自称したのよ。紀元前十世紀頃、古代イスラエル王国を建国しダビテが王になり、次代のソロモンの時、最大版図になりタ […]
「日出処の天子」59
麗華が、 「吉備真備書の三国相伝では、帝釈天に仕える牛頭天王は顔が牛の様で頭には角が生え鬼の様でありました。そのため妻もいませんでした。あるとき帝釈天の使いが来て「南海の頬梨采女をもらえ」と言ったので牛頭天王は喜び勇ん […]