道庭は上宮聖徳の立太子式を槻広場で盛大に催した。上宮の乳母を務める土師氏達に見守られ煌びやかな衣装に身を包み道庭に譲られた馬具を装備した馬に跨り広場を巡った。久し振りの明るい儀式に飛鳥は沸き立っていたが、上宮聖徳の弟の […]
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「日出処の天子」55
西園寺が、 「鉄を求める旅は更に続いて、再び天の鳥船に乗り福建省の南平で鉄を作り、河南省南陽に移り『宛の徐』となって一大製鉄基地を建設し東表国と共に殷文化圏の鉄供給の一端を担ったんだ」 島津が、 「安住の地を得たと思 […]
「日出処の天子」54
美佳が、 「マレー半島のクラ地峡ね。クアラルンプールから行くしかないのかな。遠いはね。空から見ましょうよ」 香苗が、 「バンコック経由でクラ地峡の一番狭い所に近いラノーン空港行に乗れるは」 西園寺が、 「ラノーン付 […]
「日出処の天子」53
デリーに到着して西園寺が、 「インダス文明の遺跡じゃないんだが、カルディアの製鉄カーストになったヒッタイト達の製鉄技術の象徴とも思える『錆びない鉄柱』を見ようよ」 島津が、 「千五百年経っても錆びてないんだってね、行 […]
「日出処の天子」52
四人組はバーレーンのマナー空港からインドのムンバイに移動。島津が、 「カルディア人のバーレーン島出立はニギハヤヒ一族のプロト天の鳥船の処女航海になるね。それから、殷の時代を担った全ての倭人達のメソポタミアやペルシャ湾か […]
「日出処の天子」51
古代史サークルの四人はタクラマカン砂漠のホータンからクンシュラブ峠を越えフンザに入り、インダスを下りハラッパーとモヘンジョダロを巡り、アラビア海からペルシャ湾に入り、イシン、バビロンの都市国家遺跡を辿った。西園寺が、 […]
「日出処の天子」50
道庭は柳井水道に取って返し、三郎叔父を労い、足庭の亡骸と後宮の女達と金銀財宝の搬送を指揮した。 延べ三百艘に及ぶ搬送作戦を終えて飛鳥に戻った道庭の元に石工頭が殯と陵墓の候補地の報告に訪れた。 「足庭様の殯の地は斑鳩の […]
「日出処の天子」49
春日の王宮に担ぎ込まれた足庭は既に絶命しており、太子と三郎は直ぐに九州撤収を決断し手配りを始めた。その頃、博多港に各地から増援部隊の兵を乗せた軍船が到着しており、足庭の亡骸の搬送と春日の王宮の撤収に掛かると共に、新着の […]
「日出処の天子」48
紅葉に彩られた柳井水道の王宮に春日の竹斯王のミチタリからの急使が辷り込んできた。 「足庭様、日田の奥の九重山中で不穏な動きがみられます。倭国の挙兵と考えられます」 「羅尾、飛鳥と出雲国と文身国に出兵の連絡をして下され。 […]
「日出処の天子」47
古代史サークルOB四人の旅はホータンからサマルカンドを抜けクンシュラブ峠を越えフンザに入った。フンザ川の谷間は棚田の新緑と杏子の花が見事に調和していた。 西園寺が、島津に、 「一万二千年前にタリム盆地のモンゴロイドが […]